そこに人が集まり、そこで人が楽しみ、そこが好きになる

(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

宝飾フェア(その1)

 ある化粧品メーカーが、化粧品ではなく、自社ブランドのウエアとジュエリーを、お得意さまに販売する『宝飾フェア』という催しがありました。

  通常、地域一番の高級ホテルの大広間を3日間貸し切り、オールご招待で行われていました。1年間を通して100回以上開催されていたのではないでしょうか。それだけバブリーに売れていた時代だったということです。


 『宝飾フェア』における目玉は、なんといってもファッションショー。私はそのファッションショーの現場ディレクターとして、年間に20本ほど仕事を請けていました。

  本当は「ファッションショー」と云うより小規模な「フロアショー」。なにせ、モデル3人、司会者1人、ヘアメイク1人、ディレクター1人の、 小規模6人編成でしたから。1日2回の30分のショーを3日間。初日に現地に入り、最終日、ショーの終了後即帰る2泊3日の出張旅行でした。


  ただし、3人のモデルが身につける《衣装+アクセサリー+宝石》の価格合計は、上代5000万円以上。ちょっとしたオートクチュール並みの豪華さです。そして現場ディレクターの最大の仕事は、お客様の目の前のショーケースから、ショーで使う宝石を、ひとつひとつ摘んでくることでした。


  50万や100万のダイヤやルビーは安いほう。ダイヤが50個ほど散りばめられた1200万円のネックレスを初めて触った時、正直ちょっとビビリました。「こんな私に、こんなもの任せて、持ち逃げしたら、誰の精?」


  でも、慣れるものですね。たぶん銀行員と一緒です。すぐにモノの正価など気にならなくなりました。
  ただひとつ気を付けたこと。それは宝石をガラスケースから摘んでくる時、扱いをぞんざいにしないということでした。50万には50万円の、1200万には1200万円の敬意を払って、お客様の目の前から持ち去るように心掛けました。小さなものでも高価なものには、子どもを抱えるように両手を添えました。さすがに白手袋はしませんでしたが。
 (今考えると、演出としてそうしたほうが良かったな。どうして誰もそのことに気付かなかったのだろう?)

 ◇    ◇    ◇

  女5人に男がひとりの地方巡業。おいしいお酒と美味しい肴。一癖もふた癖もあるモデル連中。
 「ある時私は、三つ揃い・縦縞のスーツを着込み、後ろに美女をはべらせた“佐藤蛾次郎”状態でした!!」

(2003.10.16)

=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===

 

event-go.hatenablog.com

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