■イベント当日はいつも快晴■
開店時間の2時間前から、デパートの外には2000人を超える列ができていました。それを横目に見ながら社員やパートの方が出勤していきます。
「この列、何なの?」「イベントで女子プロレスラーが来るんだって!」「へえー」
イベントはファンでも何でもない社員の方にも高揚感を与えてくれます。「特別な日」を演出します。
そして、晴れ渡る秋空の下―
「クラッシュギャルズ」のふたり(長与千種とライオネス飛鳥)は、若手3人を引き連れて、イベント会場に乗り込んできました。
当初の主催者側のリクエストは、「クラッシュギャルズ」の握手会とサイン会。
事前の「全日本女子プロレス」との打ち合わせにより、カラオケによる「新曲発表会」と、若手女子プロレスラー3人のお披露目が追加されました。
主催者サイドに異存はもちろんありません。テナントである「新星堂」さんがレコード(当時)の販売を受け持ち、60分1回のステージの実施がスタートしました。
◇ ◇ ◇
■踊って、歌って・殴る、蹴る■
「炎の聖書」か「嵐の伝説」か忘れましたが、オープニングは彼女たちの歌から始まりました。集まったファンの9割は女性。クラッシュギャルズの登場と同時に、「ウッ・ワーン」と耳をつんざく黄色い歓声が上がり、用意したPA(音響装置)では物足りないほど。
つくづく、今や女子プロレスは、「宝塚」を越えたな、と感じました。
なにせ、「踊って、歌って」「殴る、蹴る」「時に“コノヤロー”などと汚い言葉も平気で云える」のですから。
歌が終わって、ユーモアを交えた挨拶。持って生まれたスター性なのか、格闘家としての自信なのか、長与千種は盛んに、涼やかな「流し目」を集まったファンに送っていました。それがまた、すこぶるイイ!
次のコーナーでは、若手3人を呼び込み、クラッシュギャルズによる「道場風景」の再現。つまり「シゴキ」の絵図!
確かクラッシュギャルズも、若手3人も、トレーニングウェアだったと思います。ライオネス飛鳥は、竹刀を握っていたはず。
海老ゾリの、ブリッジをした若手3人の腹に、長与と飛鳥が交代で乗り、足を地上から離して揺すり、「ウンウン」云わせたり、一人の腹に、2人してまたがって、「エイ!」と、つぶしたりもしたんじゃなかったかな。
その後、レコードを買ってくれたファンとの握手会で、イベントは終了しました。全体的な印象としては、体育会系のノリが会場内を支配していて、不思議とさわやかなものでした。
* * *
■女子プロレスって、最高っすよ!■
イベント終了後、「彼女たち」は、控え室に戻ることなく、埼玉の「試合会場」へ向けて乗ってきた車で出発して行きました。
電車でイベント会場に来ていた若手3人の女子プロレスラーを、急きょ、うちの若手ADが荷物運搬車(ハイエース)で試合会場まで送り届けることになりました。
斜に構えた、シニカルさを売り物にしている「若手AD」でしたが、翌日、すっかり「女子プロレス」ファンになって戻ってきました。
「どうだった?」と聞いたところ、
「橘さん、女子プロレスって、最高っすよ!」という答えが返ってきました。
なんでも、リングサイドの、かぶりつきの席で、試合を見せてもらったとのこと。
「しまった、オレが行くんだった!」
きっと、行きの車中でも盛り上がったんだろうなー。しかし後の祭りでした。
(2004.3.11)
=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===