そこに人が集まり、そこで人が楽しみ、そこが好きになる

(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

忍者の世界展/構成編・下

 『忍者の世界展/構成編・上』のつづきです。

「忍者の世界展」のポスターです。

館内ポスター・車内貼り

 

 

event-go.hatenablog.com

 


■忍具の展示■

  ・・・『忍者ハットリくん』でおなじみの、水の上を歩く「水蜘蛛」も展示されています。でも、イメージとは全然違って、片足に履くものだけでも直径が70センチほどあり、厚みも20センチ位で、浮き袋のように中が空間になっているのが見て取れます。これならば、水の上でバランスさえ取れれば、確かに歩けそう。でも、実際持ち歩くのはかなり大変ですね。
 ここには以前書いたとおり、『万川集海』も展示されています。

 ※「水蜘蛛」は、確かに『万川集海』に図入りで載っています
 『万川集海』は、忍者の活躍時期が終わって、しばらくした頃、江戸幕府に献上された書物です。作者は「藤林保武」。伊賀の三上忍の一家「藤林家」の縁者だと云われています。これが元になって、「水蜘蛛」は映画やマンガに登場するのですが、『万川集海』が書かれた背景には、仕事を失った忍者の生活の困窮がありました。自分たちの先祖はこんなに凄(すご)かった、だからその技術を継承する自分たちを登用しろ、といった想いが込められているのです。つまり、忍者のためのリクルート


■忍者屋敷・仕掛けの解説■

  ・・・忍者屋敷は映画のセットのように組まれていて、二方向からお客様は見ることができます。正面は白壁で、中央が床の間になっており、『刃下不動心』(じんかふどうしん)と書かれた掛け軸が掛っています。意味は字の通りですが、「刃」の下に「心」を書けば、「忍」の字が現われます。床は板の間で、中央に囲炉裏が組まれています。

  突然、掛け軸の裏から赤い忍者装束(!)を着た「くノ一」(女忍者)が登場し、テープによる解説の声に合わせて、アテ振りで屋敷の中のいろいろな仕掛けを、実際動かして見せていきます。最後に、囲炉裏の仕掛けを動かし、中に忽然と消えます。2名の女性スタッフで、5分実演、5分休憩というローテーションで、1日約50回行いました。

 ・・・広いスペースの先は、隠し扉の回転ドア。お客様は自分でそこを抜け、次のアトラクションへと向います。


■「水遁の術」と「鏡の間」■

  ・・・「水遁の術」は、池の中に忍者装束を着たマネキンに竹筒をくわえさせ沈めました。できればここは、実際の人間にやらせたかったのですが、1日100回以上もぐったり、立ち上がって脅かすのは、体力的に無理だと分かり残念ながらあきらめました。
 「鏡の間」は、映画『燃えよ、ドラゴン』の最後のシーンをヒントに作りました。忍者の姿が、乱反射して、その場にいない忍者が鏡に映るというものです。


■「撒き菱の床」と「大ガマにまたがる地雷哉(じらいや)」■

  ・・・ゴムで作った撒き菱がびっしりと撒かれた床と、ハッポースチロールを切り出して作った大ガマにまたがる、巻物をくわえた忍者。「ドロンドロン」という煙は、安全のため、2台の加湿器の水煙に照明を当てて作りました。このせいで周りがぐっしょりと濡れてしまい、大ガマの緑色の塗料が、溶けて流れてしまうのには苦労しました。


■「唄う五右衛門」■

  ・・・出口を飾る大仕掛け。ここもディズニーランドの「カリブの海賊」の出口辺りにある「歌う小さな女」を参考にしました。ただしこちらは、アナログでいかにも手作りです。設定としては、“獄門に架けられた石川五右衛門の手下”の生首が、楽しげに「五右衛門賛歌」を唄う、というものです。

※顔を白塗りにし、顔の周りを暗幕で隠した役者が、あらかじめテープに録っておいた歌に合わせて、クチパクします。それを8ミリで撮影し、現像したテープを、業者に依頼してカートリッジ式の「エンドレステープ」に加工しました。

※学校の音楽室にあるような、ベートーベンのデスマスク風の、なるべく無表情なマネキンの首を手に入れ、顔を白く塗り、ザンバラ髪のカツラをかぶせました。

※出口の上方に獄門台を作り、白首を乗せます。約2メートル離れた、首と平行の高い位置に、エンドレステープのかかる業務用の8ミリ映写機を置き、そこから白首の“立体スクリーン”に、歌の入ったクチパク映像を映写します。
   ↓    ↓    ↓

◆すると、アラ不思議!! 生首が楽しげに唄いだします!◆

※「地球の上に朝が来る」風の和風の曲にのせて、マナ首は唄います。

 

1. でっかい 夢が見たくて ちょいと下界に 降りる
  雲の 上の世界は 聖人ばかりで 退屈だ
  大ドロボー 忍術使いの 成れの果て~
  石川五右衛門 大見参!
    
2. ぱあっと 花よ咲け咲け 桜咲く木の下で
  でっかい 花見の宴を 手下集めて やってみよう
  大ドロボー 忍術使いは 素敵だな~
  石川五右衛門 大先生!    (C)橘英彦

   ◇     ◇     ◇
 
 7回にわたって長々と書いてきました「展覧会『忍者の世界・展について」ですが、実は読者を随分と失くしたんじゃないかと不安です。まあ、いいか。ここまで辛抱強く読んでいただいて、本当にありがとうございました。
(2004.6.24)

=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===