■ディレクターのお仕事とは■
ここで云うディレクターとは、イベントを成功へと導く「推進者」です。
話の進め易さから「商店会」を例にしていますが、他の職種・サークルでも応用が可能です。仕込みの “段取り” にご注目ください。
ちょっと、松竹新喜劇っぽいですが、前回作った設定で進めます。
-=-=【舞台設定】-=-=-
▽「八幡宮商店会」の役員 Aさん(あなたです)「△△洋品店」経営。役員の中で一番の若手。張り切りマン。
▽「八幡宮商店会」その他の役員 Bさん・Cさん・Dさん
▽「八幡宮商店会」商店会長 Eさん「□□金物店」経営。責任感の強い人。ただ最近、神経痛で、弱気。
▽イベントの実施予定案件 10月11・12・13日の3日間、開催される八幡宮・秋の大祭・大売り出し
※「八幡宮商店会」と「八幡宮商店街」を使い分けています。前者は組合名で正式名称。後者は通称で、一般に呼ばれている名称です。
-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
Aさんは、「八幡宮商店会」で10月に3日間実施予定の、『八幡宮・秋の大祭・大売り出し』の、現場責任者≪ディレクター≫になりました。総責任者≪プロデューサー≫は、商店会長のEさんですが、Eさんには対外的な「顔」として、また全体予算の管理という仕事を受け持ってもらいました。
今回の『大売り出し』の、集客(イベント)に掛ける予算は150万円。
前年度の反省から、50万円予算をアップしました。Aさんは、「どんなイベントを実施するか」を決める前に、
★なんのためにイベントを行うのか?
★ターゲットは誰か? をまず考えることにしました。
===============
▼別の話/悪い例▲
──────────────
「イベント、なにしようか?」
「今、漫才ブームだから“ゲッツ!”のダンディーなんか、どうかなあ」
「あっ、それいいね。 顔売れているから、きっとたくさん人が集まるよ」
「で、いくら?」
『30分ステージ 2回で~万円です』
「げげっつ!そんなにするの?そりゃダメだ。もっと安い人、誰かいない?」
『●●ならば~万円』
「高~い!もっと安いのいるでしょ」
『いることはいますが、ぜんぜん有名じゃないですよ。人、集まりませんよ』
「いいよ、それでも。漫才ブームだし」・・・
──────────────
↑ ↑ ↑
イベントを、思いつきで先に決めると、話はこういう風にコロがっていきます。上記の例で云うと、値段に左右されて、その結果、集客という意義付けさえトーンダウンしてしまいます。
◇ ◇ ◇
Aさんは、「なんのためにイベントを行うのか」について、ディレクターに立候補したときから、はっきりとした答えを用意していました。
1.八幡宮商店街の現在のファンを、第一に大切にしよう。
2.大売出しを機に、新しいファンを20%は獲得しよう。
3.商店街のイメージアップをはかろう。
次に、Aさんは「どんな年代の人が、八幡宮商店街に来ているのか」、
「どこから来ているのか(商圏はどこまでか)」を把握しようと思いました。
でも資料はあるのですが、それは随分古いものでした。
各お店で、お客様に簡単なアンケートをお願いすれば、大したお金を掛けずに、それは可能です。アンケートの謝礼としては、前年度、大量に作ったポケットティッシュをあてることにしました。