そこに人が集まり、そこで人が楽しみ、そこが好きになる

(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

7.オークションのポイント

■オークション!盛り上げ重視か、売上要視か?■

  イベントで行うオークションの成功は、案外ムズカシイものです。
 盛り上げを重視するか、売上を最重要視するか、それとも、両方?


 イベントとして行うオークションは、やはり「盛り上げ重視」で行うべきだと思います。売上は? そこそこ付いてくるでしょう、たぶん・・・。
 
 お店でやるオークションは、「お客様に楽しんでいただくためのイベント」だと、割り切っていただければいいのですが、店の担当者から売上想定価格」というものを “強く” 提示されることがあります
 たとえば正価30万の商品は、最低「半値以上」で落札させてほしい、とかいったものです。
 

 普通30万を15万以上で落としたいなら、せめて5万とか、10万から始めるものです。こういう具合に。
 
▼「さあ、定価30万のこの毛皮、ひと声5万でどうだ!」
▽パラパラと手が何本か挙がる。「買った! 5万円!」と財布に手を掛ける。
▼「ちょっと待った、お母さん。これからがオークション! どうぞ値段をセリ上げてください!」
▽声が上がる「6万!」
▼「6万! さあ、ほかにないか!」
▽手が少なくなり、一時、沈黙。
▼「もうひと声!」
▽「6万500円!」
▼「おっ、細かく刻んできましたネっと。6万500円! さあ、ほかにないか!」・・・・・
  こうして、値段をセリ上げていくのがよくあるオークションのパターンです。

 

 以前、とある落語家さんを司会に入れて、「毛皮のオークション」をしたことがあります。その落語家さんは、落語家らしい落語家と言うか、破滅型で、ハチャメチャで、それだけ落語自体は破天荒におもしろい人です。

 だから、と云うべきか、しょっぱなから危惧したことが当たりました。

 ★さてその落語家さんは、どうだったか?

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オークションの成功・失敗は司会者次第。


 ▼「せっかく集まってくれたんだ! ワタシはタダでも持っていってもらいたい!
・・・でも、たくさんの人が集まっていただいているので、一番高い値を付けた方に持って帰っていただきましょう・・・」
「ではこの30万円する毛皮、10円でどうだ!」

▽集まった人、全員の手が挙がった!

「ちょっと待った、お母さん。これからがオークション! どうぞ値段をセリ上げてください!」

▽再び、全員の手が挙がり、「30円!」「100円!」「500円!」「1万円!」「3万円!」・・・と順調に値が吊り上がっていきました。

 
 彼は、想像もしなかった低額から、オークションを始めていきました。スポンサーも、ディレクターの私も、これにはドキリとしました。
 ただ、見ているうちに「これこそイベントのオークションではないか」と私は思いを新たにしました。大多数の観客が、実際にオークションに参加し、それを楽しんでいるのを目の当たりにしたからです
 
 さてその落語家さんのオークション、結果はどうだったかと言うと、全体の売上目標値は大きく割れました。しかし、近年まれに見る、大変盛り上がったイベントだったと、スポンサー担当者も納得してくださいました
 
   ◇      ◇      ◇
 
オークションを盛り上げるテクニックは、上記の他にいろいろあります。
 
●ひと声「100円」といって、次々と商品を売りさばきます。そしてある時急に、「100・・・」と言葉を切って、その段階で手を挙げた人に、「・・・万円!」と云い、「ハイ、100万円で売った!」と云ったり。
 
 ●司会者がジャンケンに負けたら、タダで売る//勝ったら「言い値」で売りつける(冗談ですが)・・・とか。
 
 ●オークションの司会を何人か用意しておき、途中で「お前は安く売りすぎる!」と云って、司会を次々変えていく、とか。
 
 皆さんがオークションの司会をすることになったら、テクニックを3~5パターンほど考えてみてください。


 お客様に失礼にならない程度に、「おふざけ・客いじり」は必要です。
 鳴り物(タンバリン、笛、鈴、等)や、司会者の衣装・扮装等で、場を盛り上げるのも忘れずに。
 

 オークションで、一番ダメなのは「500円!」と云っておいて、買い手がなく、値をドンドン釣り下げていくことです。これだと一番底値になるまで、だれも買ってくれません。