そこに人が集まり、そこで人が楽しみ、そこが好きになる

(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

仮名「ニャンコ」は、そのまま「にゃんこ」

もう10年以上前のこと。会社から家に帰りついた時、止めていた車の上に見知らぬネコがくつろいで寝そべっていた。

 

「おまえはだあれ?」

あたまをなでるとゴロニャンと甘えてきた。

「おーい、へんな猫がいるよ」と妻を呼び、

「いやに馴れ馴れしいんだ。どこの猫だろう?」と私。

「アメショーかしら。それにしゃあ模様が薄い気がする」と妻。

「もう成猫だよね。何歳くらいかなー」

妻が体を触ると、目を細め、ゴロリとおなかを見せて、『ここ、なでていいよ』と言いたげな表情。

「あらあら、かわいー子ね! 4、5歳といった感じかしら

妻の目はすでに催眠術にかかったみたいにトローンとしていた。

私はすかさず「飼っちゃダメだよ。たぶんどこかの飼い猫だろうから」

「そうよねー」

f:id:e-tambourine:20200601175523j:plain

サバトラ~警戒心が強く慎重なタイプ

 

 翌日、会社から戻ると案の定、妻はそのアメショーまがいの猫を家に入れて餌をやっていた。

「だって玄関の前で『入れて、入れて』って可愛らしい声で鳴くんだもの」

「飼い主が見つかるまで」と約束をして、暫定的に「にゃんこ」と呼ぶことにした。

 

f:id:e-tambourine:20200601180609j:plain
f:id:e-tambourine:20200601180538j:plain
雪の上に置かれ立ちすくむ     カブリモノにぶ然

あれから約10年、飼い主は見つからず、「にゃんこ」という名前はそのまま固定したままだ。