そこに人が集まり、そこで人が楽しみ、そこが好きになる

(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

宝飾フェア(その3)

 

地方の一流ホテルの大宴会場にて

 

  『宝飾フェア』は、開催地における「一流」といわれるホテルの大宴会場で、3日間開催されていました。会場には次の5者が、それぞれの思惑を抱いて集合していました。
 

  ●主催者であるメーカーの人(マネージャー)数人・・・『目標達成!1億円!』
 

 ●派遣販売員・・・宝石と洋服を売るためのプロのフリーの販売員10数名~『たくさん売って、歩合を稼ごう!』
 

 ●その地域におけるメーカーの訪問販売員・・・自分のお客さんを連れて、入れ違いにやってくる~『たくさん売って、成績上げよう!』
 

 ●招待客(着飾った熟年女性)・・・訪問販売員に連れられて、または待ち合わせして来場~『一流ホテルってどんなとこ?買うつもりはないんだけれどね...』
 

 ●われわれファッションショーのステージ関係者6名~早く終わらせて、美味しいモノ食べよう!』
 

 私は会場内のショーケースから、ファッションショーで使う宝石をショーのたびごとに集める仕事も受け持っていました。そこでよく耳にした会話は、次のようなものでした。
 

販売員「今まで苦労してきたんだもの。自分ヘのご褒美だと思って買っちゃいなさいよ」
 招待客「でもねえ・・・」
 販売員「お金は旦那さんがにぎっているの?」
 招待客「いいえ、わたしだけど」
 販売員「じゃあ、どうとでもなるじゃない。めったにないいい機会だし、買ったら」
 招待客「そうねえ・・・そうしょうかな!」
 

 こうして高価な宝石や洋服が、まんまと「月賦」で売れてゆきました。
 

 それにしても、『今まで苦労してきたんだもの。自分ヘのご褒美だと思って』という言葉には、云われた熟年女性にとって、間違いなく「うぐっ」とくるものがあるんでしょうね。
 
 ◇     ◇     ◇
 
 さてメーカーにとって、宝飾の販売システムは実は二重構造になっています。
 

 最初のうちは宝飾フェアのプロの販売員とメーカーの訪販の販売員がタッグを組んで、招待客に「商品」を買ってもらおうと、リップサービスを繰り広げます。そのうち、いつの間にか訪販の販売員たちにも、セールスの手が及ぶのです。
 考えてみれば当然で、訪販の契約社員たちも、十分に生活に『苦労してきた』女性なのです。
 

 最終日、フェアの終了後、招待客も契約社員もいなくなったところで、3日間の成績発表がメーカーの社員によって行われます。『「内部」~○○万円。「外部」~○○万円。合計、○○千万円!』
 

 この場合、「外部」とは販売員が連れて来た招待客を指します。
そして「内部」とは訪販の販売員たちのことです。メーカーにとって、彼女たちを「内部」と呼んで、最初から購買対象と考えていたのをその時知りました。
(2003.10.29)

=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===

 

event-go.hatenablog.com

event-go.hatenablog.com