そこに人が集まり、そこで人が楽しみ、そこが好きになる

(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

イベントに契約書はなーい!

■イベントに契約書は馴染まない■

 信じられないことかもしれませんが、イベント業界(?)には、「契約書」というものが存在しません。
 大手広告代理店のD社でも、H社でも、ことイベントに関しては、発注は「原則として」すべて“口約束”です。私の経験で云うと、1件5,000万円ほどの展示会イベントを契約書なしで受注しています。

 30年以上この仕事を続けていますが、契約書を取り交わしたことは、数えるほどしかありません。たまに収入印紙貼って、「甲・乙つける」(契約書を交わす)たびに違和感を覚えます。それは多分、信義の世界に反しているように感じるからです。

 「契約書お願いします」とこちらから云う時は、相手に対して、なんらかの不安があるときです。相手から「契約書お願いします」と云われた時は、自分の会社の力不足を宣告されたような気になります。

 ただ同業者間において、契約書を交わすのは普通、初取引の時だけです。2回目の取引からは(~2回目の取引をするという信頼関係ができたならば)それ以降、“口約束”で互いに受発注します。

   ◇      ◇      ◇

■「記憶」と「記録」だけが残る■

 学校を出て、初めて就いた職業は「コピー機」を売る仕事でした。かばんの中にはいつも契約書が入っていました。代金を即金でもらわない限り、必ず「売買契約書」を取り交わしたものです。

 3年務めた事務機販売会社をやめて、イベント制作会社に転職した時、最初に感じた疑問がこれでした。「どうして契約書を交わさないのだろう?」

 そもそもイベント会社には、「契約書」なるものは常備していません。必要が生じた時、参考書を見ながらあわてて文面をひねり出し、ワープロソフトで打ち出します。「甲が相手で、乙が自分だっけ? 逆だっけ?」

 イベント会社には決まった取り扱い商品はありません。そのたびごとの「あつらえ物(オーダーメイド)」、常に仕様の異なる「1点もの」を売っています。だから、甲乙を書き入れれば済むような、文面の決まった契約書はないのです。

 しかもイベントが終われば、お客様の手許に残るものはなにもありません。「記録」としての写真と、その場に立ち会った人々の「記憶」だけが財産です。(~ちょっとカッコいい! なんかハードボイルド!)

   ◇      ◇      ◇

■イベント屋気質■

 さて、イベントに契約書がない理由は、多分に昔堅気の、「義理人情・仁侠道の世界観」に基づいているからではないかと、私は考えます。
 「興行師」・「テキ屋」・「カツドウ屋」・「芝居関係」等の側につらなる職業として、「イベント屋」もあるのだと思います。

(2004.2.19)

=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===