■イベントを決定する■
さあ、状況は整いました。10月の『八幡宮・秋の大祭・大売り出し』のためのイベントを決めていきましょう。
テーマは《未来に向けた八幡宮商店街のファン作り》です。Aさん、頑張って!!
アンケートから読み取れる「八幡宮商店街」の顧客像は、
年齢比は、50代から60代以上といった老年世代が60%、次いでヤングファミリー層が25%で、その他が15%でした。男女比は3対7で、この方達が現在の八幡宮商店街のファンで、何といっても、今回のセールのコアターゲットです。
そしてチャレンジ目標として設定したのが、「今回の大売出しを機に、新しいファンを20%獲得しよう!」でした。
問題は「新しいファン」をどの層に設定するかです。
Aさんは、迷うことなく「ヤングファミリー層」としました。それは『商店街の未来』のためです。
新しい団地ができて、新住民となった若い世帯に期待をかけると同時に、その子どもたちの記憶の中に、 “ふるさとの風景” として「八幡宮商店街」を留めてほしいと考えたからです。
そして子どもたちが成人し、結婚してまた自分の子どもを育てる時、再び訪れる場所にしたかったからです。
まるで魚のシャケの子どもが、再び同じ河をさかのぼるように。
★こうした考え方は、かつて大手百貨店では実際考えられてきました。
今でも、できた当時の外観を変えずに残したり、シンボルマークや、包装紙をそのままにしているのがそれです。
少し結論を急ぎましょう。
Aさんの決めたイベントプランは、次の通りです。
1.『福引抽選会』~恒例のため、今年も実施。1店舗3,000円お買上げごとに1回抽選。各店舗には協賛金として、抽選券1枚につき150円(5%)でお買上げいただく。足りない分はイベント経費から出す。
2.『チャレラン大会』~子ども、及びファミリー向け参加型イベント
3.『折紙で壁面飾り』~子ども、及びファミリー向け参加型イベント
4.『縁台将棋・オセロ大会』~老年世代と、子ども世代のふれあい参加型イベント
5.『地元大学サークル/占い研究会による占いコーナー』
~ 福引の4等景品として実施(末等は5等→ポケットティッシュ)
◇ ◇ ◇
各イベントの概要は、上記の通りです。Aさんは、業者に丸投げせずに、基本的には自分たちの力で、イベントを実施するつもりでいます。はたしてどうなるか。予算は大丈夫なのか。皆の協力は得られるのか。
総会が開かれ、Aさんのプランは承認されました。さあ、いよいよ仕込み作業に突入です。予算150万以内に経費を抑え、動員と売上を確保するのがAさん(=ディレクター)の役割です。
■運営マニュアルを作る■
実はAさん、広告代理店に勤める学生時代の友人Tさんに、商店会の役員に決まったときから、いろいろとイベントについてのアドバイスを受けてきました。
▼「ただ単に人を多く集めるより、八幡宮商店街のファンになり得る人を集めなきゃね。それに本当は、1回だけのイベントで終わりっていうんじゃなくて、お金の掛からないイベントを、もっと定期的にやった方がいいんだけどね」
▼「『運営マニュアル』作りにチャレンジしてみるといいよ。仕込みのモレもなくなるし、商店会の人の協力を得てやるなら、認識の共有と言う意味でも、絶対必要だな」
▼「そんなに難しく考えることはないよ。コンピュータの使い慣れたワープロソフトか、表計算ソフトで構わないから。まず『タイトル』の入った表紙を作って、『実施概要』を5W2H(2Hは “どのように” と “いくらで” )を押さえて書く。
▼あとは『タイムスケジュール』や『運営組織図』、『スタッフ役割分担表』、『イベント備品一覧』など、必要と思われるページを増やしていけばいいんだ」
Aさんは、成る程と思いました。そして早速イベントの仕込み作業と並行して、運営マニュアル作りに取り掛かりました。
Aさんは、成る程と思いました。そして早速イベントの仕込み作業と並行して、運営マニュアル作りに取り掛かりました。
次回からは、「イベントの醍醐味」、いよいよ仕込み作業に入ります。