■まず頭を整理!「備品・仕事割り表」を作ろう■
●現在「イベントの創り方」について書いていますが、以前メルマガで書いていた「運営マニュアルの作成方法」を見直す機会がありました。
と云うのは、仕事でいつも一緒にイベントをやっている折り紙のサークルが、会独自の「作品発表会」を行うことになり、準備作業の段階で、ちょっと相談にのる機会があったからです。
●会長さんは、「発表会」まであと10日という段階で、パニックに陥っていました。
『やらなくちゃいけないことが多すぎて、あれもこれもと思うんだけど、どこから手をつければいいのか、迷ってしまって』
「紙に書き出してみましたか?」
『手帳に書き留めてはいるんだけれど、どうも整理がつかなくて・・・』
「そういう時は、表に書くのがいいですよ」
『どう書くの?』
●本当は、こうしたプロジェクト(大げさに聞こえるかもしれませんが)の場合、早い段階で「運営マニュアル」を作るのが一番なのです。
でも「あと10日!」ここに至っては仕方ありません。
そこで私が提案したいのは、「運営マニュアル」の中の1ページである「備品リスト」の変形、「備品・仕事割り表」の作成です。
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■『運営マニュアル』について■
○『運営マニュアル』のページネーション(ページの割り振り)は、次の通りです。プロジェクトの種類により、若干タイトルは変わりますが、内容はほぼ同じです。
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【運営マニュアルページネーション】
1.表紙 2.実施概要 3.実施コンセプト・目的・目標/ストーリー 4.運営組織図 5.制作スケジュール表 6.当日進行スケジュール表 7.会場図 8.周辺案内図 9.ステージレイアウト・図面 10.運営スタッフリスト 11.誘導計画図 12.スタッフ配置図 13.スタッフ配置 14.受付レイアウト図 15.座席表 16.控え室図面 17.スタッフ業務マニュアル 18.場内整理マニュアル 19.ナレーター・コンパニオン勤務要綱 20.備品リスト 21.緊急連絡表
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■「備品・仕事割り表」の作りかた■
●趣味のサークルの場合、会社のような「利益団体」と違って、なかなか縦の指揮系統をとることは難しいものです。そこで、サークルの構成人数をいくつかのグループに分けます。そして各グループに、仕事の種類によって作業(業務)を振り分け、あとはグループの「自主性」に任すのです。
●もうひとつ、あります。本番当日までに「用意しなければならないモノ」のリスト化です。それを、上記の「仕事分けした各グループ」に、仕事項目に応じて、“リンク”させるのです。
●「備品・仕事割り表」とは、『運営マニュアル』の中の、≪17.スタッフ業務マニュアル≫と、≪ 20.備品リスト≫を、「グループごとに」ひとつの表にまとめたもののことです。
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●テキストだとのツライところですが・・・
言葉で書くと、ちょっと分かりにくいのですが、表にしたら単純なものです。
●事例としてあげた「折り紙サークルの作品発表会」ではこんな風です。
まず、横罫に、≪項目≫≪内容≫≪数量≫≪担当≫≪備考≫の枠を取ります。縦罫は、間に行間をたっぷり取りながら、≪グループ名≫を入れます。
●例えば、縦罫≪Aグループ≫の欄には、次のような文章が入ります。
1.≪項目欄≫
・担当ブース作品を並べる(この項目は各グループ共通です)
・受付を担当(他のグループは「折紙教室担当」だったり、「個人作品コーナー担当」だったりします)
・「教室紹介」掲示物の作成(他のグループも同様に、事前に作成する掲示物だったり、リースなど装飾物の作成があります)
・事務用品を用意(自前のものを集めて用意する場合は、あとの返却を考えて、1グループに任せるのが無難です)
・実際は、他にも細々した項目が並びます。
2.≪内容欄≫
・項目欄の補足、または仕様を書きます。項目によって、特になければ空欄でも構いません。
3.≪数量欄≫
・特に「備品」に関しては、数量を明記することは大切です。
4.≪担当欄≫
・グループの中の、「その項目」に関する責任者を明確にしましょう。
・ここに書き込み、全員にプリントしたものを配布することで、自覚と、責任所在がはっきりします。
5.≪備考欄≫
・あとで気が付いたことを、書き込むことの出来る欄を設けることは、何かと便利です。
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●何のために「備品・仕事割り表」を作るかと云えば、趣味のサークルの「責任者」の負担を軽減させるためです。「備品・仕事割り表」を作り、全員に配布することで、もれていた事項が明らかになります。
●ミスがなくなり、「発表会」仕込み当日あわてて作ったり、買いに行ったりする必要がなくなります。またメンバー全員に『自分たちの発表会』という自覚も生まれるはずです。
●イベントの現場では当たり前のことですが、責任所在を明確にするということは大切なことです。時には、「これに関しては“スポンサー様”」といったように、「押し付けちゃう」ことも可能ですよ!