新カテゴリー「イベントのポイント」では、日々の生活の中の “イベント” に目を向けてみました。
◇ ◇ ◇
「展示会の運営委員に選ばれた」、「送別会の幹事を押しつけられた」、「社員旅行の実行委員に任命された」・・・など、仕事場で遭遇する “非日常ごと” は、立派なイベントと云えるのではないでしょうか。
家庭におけるイベントは、「お出かけ」や「年中行事」の他にもまたまだあります。 「受験」や「就職」といった人の一生に係わる“チャレンジするイベント”がそうです。“チャレンジする当人” も、それを見守る「親・姉妹」もすべてひっくるめて、フルキャストで取り組みます。
イベントは、喜びを共有するためにあります。それは家族といった小さな単位のイベントでも、仕事場におけるイベントでも同じです。
イベントをプロデュース側の人間は、たとえ目的が「売上げ」であったとしても、心の奥底ではいつも「お客様の喜ぶ顔が見たい!」と思っているはずです。
■面接のポイント■
今回は、新入社員や、アルバイトを面接するときの「ポイント」です。
たぶん、10人以上面接する時、お役に立てるはずです。
展示会等イベントの、コンパニオンのオーディションに立ち会う機会が、何度かありまりました。場所は、大手広告代理店のプレゼンルーム。
採用人数が10人ならば、30人は最低集めます。一昔前は、10倍の人数を集めたものです。10人ならば100人!
でもそのうち、面接するスポンサーが根を上げちゃって、『あまり意味ないね』と、3倍程度になりました。
オーディションの日。会場のセッティング、控え室のセッティングを終え、イベントコンパニオンの到着を待ちます。通常、30人のオーディションだと1時間半程かかるので、コンパニオンの到着時間を、2~3段階ずらして集合をかけておきます。
コンパニオンが到着する度に、一人ずつ、壁をバックにポラロイドで撮影し、余白の部分に名前を書き入れておきます。
☆なぜかって? それはこれから。
オーディション・スタートの最初の人には、ちょっとした仕掛けがあります。
彼女のオーディションシート(採点表)の点数は、各項目すべて5段階評価の「3」なのです。初めからそう書き込んでおいたものを、面接官に渡しているから。
☆それは何ゆえ? それもこれから。
会社の面接も同じですが、オーディションを受ける人はドアの外にいて、「次の方、どうぞ」を合図に、ノックをして会場に入ります。入ってくるときから、すでに審査は始まっているわけです。
中央にはイスを置いていますが、すぐには座らせません。
「では、立ったままで、自己PRをどうぞ」と云って、何かを喋ってもらいます。
実は、何を話してくれてもいいのです。話の内容ではなく、面接官は、コンパニオンの姿勢を見ています。
概して今の若者は、立ってキチンとした話しをするのが不得意のようです。
手をブラブラさせたり、脚がふらついたり・・・。
展示会等イベントにおいて、コンパニオンの仕事はほとんど「立ち仕事」です。『会社を代表して』展示会場でお客様に接するには、それでは不適任です。
実は立って喋らせてみると、「育ち」も「体力」も判っちゃうんですね、コワイですねー!
◇ ◇ ◇
★では、先ほどの種明かしです。
■面接前にポラロイドを撮っておくのは、
「履歴書」添付の小さな写真では、あとで決めるとき、名前と顔が、一致しないからです。
服装が違うし、雰囲気も異なります。ましてコンパニオンだと、化粧バッチリのワンランクUPの写真を提出しており、そこからワンランクDOWNの「実像」がなかなか見えてこないからです。
■最初の人のオーディションシートの点数が、なぜすべて「3」なのか?
それは、最初の人には大変申し訳ないのですが、今後の人すべての「採点基準」になってもらうためです。
多人数、面接していると、面接官もだんだんと訳が分からなくなり、採点基準がバラバラになりがちなのです。そこで最初の人のすべての点を「3」とすることにより、“あいつが「3」ならば、こいつは「2」だ!” と公正な判断がつくという訳です。
さて、最初のオール「3」の人の落選率はというと、90%でしょうか。
実は面接順を決めるとき、プロフィールの写真に基づいて、“平均的”で、落ちても仕方がないという人を一番にもってきます。それでも実物と写真との違いで、『実物がプラス』の人には、「悪いこと、したなあ」と感じています。
また、『拾う神もアリ』で、面接官の “鶴のひと声” で、復活する人もいます。
そんな時は「良かったなあ」と感涙します。