そこに人が集まり、そこで人が楽しみ、そこが好きになる

(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

第16回目・イベントが終了したあと(2)

■イベントその後、その前に■

 

 「ところでイベントはどうだったの?」という問い合わせをいただきました。
 前回、冒頭でこう書きました。

 『イベントが終了しました。Aさんは「成功だった」と自負しています。おおむね天候にも恵まれました。最終日に1時間ほど豪雨に見舞われましたが、それはスコールのようで、その後からりと晴れ渡り、虹が見えました。』


 これで終わらせるつもりでした。あえて中身を書かなくても、話を進める上での設定に基づく「フィクション」だし、書いたところで「よかった、よかった」の成功話ししか書けないと思っていたからです。
 でも、考え直しました。肝心なイベントの様子を書かずに済ますのは、やはり締まりが悪いと考えたからです。


 そこで、思いっきり “劇的に” お話を作ってみることにしました。あらかじめお断りしますが、今回、アドバイスや情報になるようなものは、多分一切ありません。

 
★オールキャスト総出演でお届けします。では、event_go!!

-=-=【舞台設定】-=-=-=-=

▽「八幡宮商店会」の役員~Aさん(あなたです)「△△洋品店」経営。役員の中で一番の若手。張り切りマン。
▽「八幡宮商店会」のその他の役員~Bさん・Cさん・Dさん

▽「八幡宮商店会」の商店会長~Eさん「□□金物店」経営。責任感の強い人。ただ最近、神経痛で、弱気。

▽イベントの実施予定案件~10月11・12・13日の3日間、開催される八幡宮・秋の大祭・大売り出し

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イベント初日(10月11日)

プロジェクトX

 朝5時の風はやはり冷たいと、商店会長Eは、誰もいない「八幡宮商店街」をひとり歩きながら、フトそうつぶやいた・・・。Eは、Aにこのプロジェクトのすべてを任せてからは、黒子に徹することに決めていた。


Aさんの日記より

 いつの間に眠ってしまったのだろう。朝6時前に妻に揺り起こされる。
 この2,3日不安と興奮で眠れぬ日々が続いていた。本番初日も寝不足かと、諦めていたのだが。昨日、すべての仕込みと、確認作業を終えたため、気が緩んだのだろうか。どちらにしても、よく眠れたのはありがたい。
 窓のカーテンを引き、空を眺める。大丈夫だ、今日は晴れ!


TVドラマ風~シーン1/商店会事務所にて・朝7時

 BとC、商店会事務所への階段を軽快に上がっていく。ドアを開け、中を覗き込む。

B 「おや、まだ誰も来てないのか」
C 「不用心だな、カギ掛け忘れ?」

 階段を足早に駆け上る音。D、登場。

D 「おはよう。会長とAさん、もう抽選会場に行ってるよ。俺、これ取りに戻ったんだ」(と、トラロープの束を肩に担ぐ)
B 「随分と早いなあ。他に何か持っていくもの、ある?」
D 「いや、それより早く会場に行って、景品並べをしてくれるかな」
C 「椅子やテーブルは?」
D 「それはもう、会長たちが倉庫から出してセット終わったはずだ」
C 「なんか俺たち、出遅れちゃったなあ」
D 「そんなことないさ。まだ初日が始まったばかりだから」
B 「そうさ、これから3日間、まだまだ長丁場だからな」
C 「うん。会長やAさんのフォロー、しっかりしなきゃな」
D 「おっと、ぐずぐずしてられないや。急がなきゃ」

 BCD、出ていく。すぐにC戻ってきてカギを締め、あわてて立ち去る。


再び、プロジェクトX

 Aは胸騒ぎを覚えた。大学の占い研究会(※)のZがまだ到着してない。Bを駅に迎えにやらせたが、まだ姿が見えないという。Zの携帯にかけたが、留守電になったままだ。

 11時を過ぎて抽選会場にはぼつぼつと人が集まって来た。このままでは4等が出ると景品がない!Aは4等の抽選玉である「青玉」を抽選機から抜くべきどうか、迷った。

 その時だった。今回のイベントのアドバイスをずっとしてくれていた学生時代の友人T(広告代理店勤務)が、Zを伴って駆け足で現れた。

 

 「こいつ、駅の反対側の改札口にいたんだ」

 AはTの顔をまじまじと見た。口のよこに米粒が付いていた。Aは声がのどにつまって何も云えなくなった。

 「紹介した手前、心配になってね。イベントの様子を見に来たんだ」

 Tは米粒には気づかず、はにかみながらそう云った。。。

※『地元大学サークル/占い研究会による占いコーナー』
  ~福引の4等景品として採用。抽選会と絡めた、女性向け還元型イベント。

   ◇     ◇     ◇
 
 イベントの出演者に、「しろうと」を使うのは要注意です。上記のような場合は、モーニングコールをするくらいの細心さが必要でした。プロならば、まず時間に遅れたりはしません。イベントで占い師を呼ぶと1日3万程度です。質的に云ってもやはり上位で、不慮の事態に対する対応力があります。
 いろいろな安心料を含めると、けして高くはないと思います。


 〔初日・二日目のイベントは、3日間通しで行われます〕

 1.『福引抽選会』 ~恒例の顧客還元型イベント。
 2.『折紙で壁面飾り』 ~子ども、及びファミリー向け参加型イベント
 3.『縁台将棋・オセロ大会』~世代を越えたふれあい参加型イベント
 4.『地元大学サークル/占い研究会による占いコーナー』
           ~福引抽選会と絡めた、女性向け還元型イベント

  ※『チャレラン大会』は、最終日のみ行われます。

 

イベント最終日(10月13日)

 【プロジェクトX

 トランシーバはなんて便利なアイテムだと、その時Aは痛感した。

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スタッフ同士の連絡は、最初は携帯電話で十分だと考えていた。
しかし友人Tが云った一言で、トランシーバを4台借りることにした。
「ヘッドセットって、知ってる? ヘッドフォンにマイクが付いたやつのこと。スタッフ皆で、トランシーバとセットでかけると、プロっぽくて、かっこいいぜ」
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 イベント最終日、抽選会場でトラブルが発生した、担当のBからトランシーバによる連絡を受けたAは、その解決策を思いつかない自分に焦りを覚えた。その時、同じ情報を聞いていたCとDが駆けつけて来た。

 トラブルはDの機転により、未然に防ぐことができた。

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トランシーバは、一斉同報通信です。その点が携帯電話とは違います。 
BさんはAさんに向けて話す場合、「こちらBです。Aさん、どうぞ」と呼びかけます。「こちらAです。Bさん、なんでしょう」と応えます。
「Aさん、抽選会場でトラブル発生です。・・・至急こちらに来てください」という会話を、Cさんも、Dさんも同時に聞いている訳です。 
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    ◇     ◇     ◇

 以上で『あなたにも出来る!イベント制作』は終了です。

 とある商店街を舞台に、“プロにお任せ” ではなく、「自分たちの創意工夫でイベントを実施する」流れを16回に渡って書いてきました。

 参考にしていただければ幸いです。

 

 「自分たちの力でイベントを実施する」という考え方は、他にも書いています。

 

event-go.hatenablog.com

 

event-go.hatenablog.com