『イベント雑記』を書くとき、「どんなこと、あったっけ?」と、昔々やったイベントを思い返しています。
書いていて面白いもので、読んでいただいて笑えたり、“フムフム”と得心できるネタを、あたま振り振り、ひねり出しています。
今まで25話以上書いてきて、最近は1回分書くと、もうネタが尽きたように思えるのですが、そこはホレ、長年の経験の賜物(!?)“ポコッ”とどこからか出てくるものです。
そこで今回は、『百貨店における文化催事・展覧会』について、お話しします。
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■百貨店のファミリー向け展覧会■
最近は百貨店も予算がなくて、めったに見かけなくなりましたが、10年以上前までは、ファミリー動員策として『展覧会』が盛んに行われていました。
例えば夏休み。5週間のうち、お盆の1週間は「売り出し催事(夏物一掃大バーゲン)」で埋め、あとの4週は、ファミリー向けの『文化催事・展覧会』で動員を図るのが、大手百貨店の通例でした。
九州の百貨店は、地域性でしょうか、血の気の多い催事を好んで採用していました。『大アマゾン展』とか、『世界のヘビ展』とか、『シロ・巨大ナマズとエリマキトカゲ展』(この組合せ、多分ないな・・・でもこんな感じ)などです。
さて、これらの“ゲテモノ・キワモノ(?)展示会”は、全国各地でヒットを飛ばし、版元である企画会社は、同じものを何度もやることにより、しこたま利益を上げていました。
企画会社の社屋が自社ビルになったり、社長宅が新築されたりすると、「ナマズ御殿」とか、「エリマキトカゲ御殿」と、うらやましさ半分(あとの半分は?)で、よく揶揄されたものです。
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■世界のカメ展でいこう!■
「黙って、指くわえていることはない!」と、当時私のいた会社の社長が発奮し、借り入れだかどうだか知りませんが、よさんまとまったお金を作り、『展覧会の自社開発』に乗り出すことになりました。そしてそのお鉢は、私のところに回ってきたのです。
それまで他所の会社から「パッケージ」を買って、展示会の売り込みはいくつかしていました。『世界のおりがみ展』とか、『エジソン展』などです。
「そういった、大人しいものじゃなくて、もっと儲かる“ゲテモノ”をやろう! 俺には腹案がある!」
「なんですか?」
「聞いて驚くな! 目玉は、シロ大スッポンだ!」
「うっ、スッポンですか・・・(なんかカッコ悪い!)で、タイトルは?」
「そうだな、うん、『世界のカメ展』にしよう!!」
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そうした訳で、いよいよ私も「ランカイ屋」(展覧会屋)の世界に、踏み出すこととなりました。展覧会の中身の構成を作りながら、片方で日本中のデパートに売り込みをかける、という仕事です。
簡単に言えば、総額800万で「展覧会」を仕込み、1ヶ所300万で売れば、3ヶ所目から利益が出る、という仕組みです。10ヵ所売れれば、2200万の粗利が出るはず。売れれば、ですが。
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『世界のカメ展』で経験を積み、次に手掛けたのが『忍者展』です。。。「忍者」が好きだから。
『赤影』や、『仮面の忍者・嵐』じゃありません。子供の頃見た『隠密剣士』に出てきた“リアル”な忍者です!
長くなりそうなので、この続きは次回に。「忍者」に関する思い出、ありましたらメールをお願いします。ぜひ!
(2004.5.13)
=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===