日本で最初に「テープカット」が行われたのは、1871年の鉄道が開通した際の竣工式と云われています。
現在では多種多様な式典のオープニングセレモニーとして取り入れられており、 「くす玉」や「鏡開き」などと並んで盛んに行われています。
お歴々の方々がずらりと横1列に並んで、紅白のテープを大きな金のハサミで切り落とす様は、絵ずらとしてテレビ映えする映像です。
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新工場の落成記念式典として「テープカット」を執り行うことになり、あなたは会社の上司から式典の運営を任されました。
式典自体そのものは15分足らずで終わります。
「進行手順」は以下の通り。
1. 式典開始前に、式典参加者を控室から式典会場に誘導する。
2. 「開式宣言」・・・卒業式における「開会の辞」と同じ。司会者が宣言します。~『只今より新工場落成記念式典を開始いたします』
3. VIP挨拶・・・主催者挨拶や、来賓祝辞、来賓紹介、等~センターマイクで挨拶。
4. 誘導・・・紅白テープの前にスーツを着た女性社員が1名づつ、式典参加者を所定の位置に誘導します。
5. 式典準備・・・リボンのついた金のハサミと、白手袋を参加者それぞれに手渡す~先ほどの女性社員が、ハサミと白手袋をのせた黒盆を持ち登場。もう1名の女性社員が黒盆からハサミと白手袋を参加者に渡していく。
6. 司会者合図・・・準備が整ったところで、『では、どうぞ!』~ファンファーレ
7. リボンをカットする・・・女性社員2名が素早くハサミと手袋を回収する。
8. 終了・・・係員がVIPを新工場内に案内誘導する。
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さて、イベントにおけるテープカットの第1のポイントは、「テープを切る」その瞬間のVIPの並び順にあります。
VIP中の “超VIP” が、≪ちゃんとテープの中央にきているか、どうか≫に、テープカットの成功は掛かっている、と云って過言ではありません!!
式典会場には、フィナーレを飾るテープカットまで、VIPに控えていただくためのイスが、すぐそばに用意されているはずです。
誘導員はキチンと指定された席に、各VIPを座らせなければなりません。
これを間違いなく遂行するために、イスの背のウラに、VIPの名前を書いた札を貼るのは問題ありません。落ち着いて、失礼のないように、席にご案内してください。
あとは司会者が、テープ位置に近い席に座っている順に(台本通りに)名前を呼び、イスから遠いところのテープ位置に、アテンドの女性がお連れすればいいのです。
“超VIP” は、席の真ん中あたりに座っているので、必然的にテープの中央に位置します。
第2のポイントは、≪同時にテープを、切る≫ことに尽きます。
これは司会者の次のようなコメントで「間違い」は防げます。
★司会者
「それでは、お待たせいたしました!
私の『どうぞ!』の合図で、テープにハサミをお入れください。
ご準備のほうはよろしいでしょうか?
それでは・・・どうぞ!!(ファンファーレ鳴る)」
もしも≪同時にテープを≫切り損なうと、真ん中の “超VIP” は、やりきれない想いを抱くはず。
なぜなら、テープの両端を先に切られると、手の中にテープの切れ端が残り、『今さら、オレは何を切ればいいんだ!』というジレンマに陥るからです。(トホホ・・・)