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(株)ジーツーゲイトは「共感を呼ぶイベント」を提案します

ヒーローショー

■ヒーローショー(1)■

 20年近く前の話なので、関係各位様、もう時効です。

  あるデパートの屋上で、ウルトラマンと、仮面ライダーと、ガッチャマンが力を合わせて、何とも知れんフェイクな宇宙怪獣と戦い、勝利したことがあります。
 
 ウルトラマンは巨人、仮面ライダーは等身大、ガッチャマンアニメの国の人で、この3人は本来、出会ってはならないヒーローです。
まして一緒に戦うなどもってのほか。ナゼか。それは版権の問題です。
 円谷英二さん、石の森章太郎さん、久里一平さん、ごめんなさい。苦しまぎれの選択でした。

 というのが、「あるデパート」では年間20本以上、「ぬいぐるみヒーローショー」を有効なファミリー動員策として、イベントに多用していました。費用効率から考えても、当時35万円で1,000人以上お客様を呼べるイベントはそうそうありませんでした。(1人=350円)

 毎回演目を変えるとしても、20種類も「ぬいぐるみショー」はありません。そこでよくある手として、過去に放映していたウルトラマンや、仮面ライダーの“集団演武”を企画しました。「ウルトラ3兄弟・ショー」や「V3 & アマゾンマン・ショー」といった具合です。また、版元が同じなら、仮面ライダーとゴレンジャーのレッドの組み合わせも可能でした。

 だけど、ウルトラマン仮面ライダーと、ガッチャマンは、明らかに禁じ手です。

 「もっと面白いもの、ないの? あっ、と驚くようなやつが!」とスポンサーに云われ、小さなプロダクションの社長に相談したところ、「お任せあれ!」と云って消え、しばらくして持ってきたのがコレでした。で、子どもたちにウケたかと云うと、イマイチでしたねえ。画期的だと思ったのに。

 さて「ぬいぐるみヒーローショー」、一度は見たことがあるという方、多いと思います。それはなんでした? 仮面ライダー、ゴレンジャー、それとも、ウルトラマン? それはいつ頃? だれと一緒に?
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 ★あなたにとっての「思い出のヒーローショー」教えてください★  
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 私の「思い出のヒーローショー」は、『うる星やつら』です。エンディングの、主題歌に乗せて出演者全員が踊りながら歌う(?)シーンは、秀逸でした。グッときました。
(2003.7.17)
=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===
 
■ヒーローショー(2)■

 ヒーローショーは、だいだい9人編成です。役者7人、司会者1人、スタッフ1人で現場にやって来ます。1回30分のステージを1日2回、例えば13時・15時に行います。

 ヒーローショーの構成は、何パターンかありますが、私の好きなパターンは次のようなものです。
1.司会者登場
 ~ あいさつ。「こんにちは」を観客(子ども達)に、2回云わせる  ※(1)
2.悪役の登場
 ~ 悪役の司会者いじめ→司会者は子どもと声をそろえて、ヒーローの名を2回呼ぶ  ※(2)
3.ヒーロー登場~ 悪役、司会者を解放し、ヒーローと戦う。悪役、負けて一度去る。ヒーローと司会者も、その場を去る。
4.悪役軍団登場《悪の基地》~ 「新たな兵士を募集する」と云って、子ども達を2、3人ステージに上げ、遊ぶ。「この子達じゃ使えない!」と云って、客席に戻す。そこへ新たな宇宙怪人を呼び込む。と、その時、非常ブザーが鳴り響き、ヒーローの基地への侵入を知らせる。
5.ヒーロー登場~ 《ヒーロー》 v.s. 《悪役と怪人+手下》ヒーロー、派手なアクションで、悪の軍団をギタンギタンにやっつける。「覚えていろ!」と捨てゼリフを残し、悪の軍団、去っていく。
6.司会者登場 ~ 「拍手!!」・・・大団円。そのあと、握手会・サイン会(有料)

 ※(1)「2回」の意味・・・ショーに子ども達の意識を集中させるため。司会者のセリフは次の通りです。
 「みなさん、こんにちは!あれ、元気がないなあ。ちゃんとご飯食べましたか?(子ども達『食べた・・・』)
それならば、もっと大きな声が出るはず。では、もう一度。
こんにちは!!(子どもたち『こんにちは!!!!』)
はい、上手なご挨拶ができました・・・」

 ※(2) (司会者は悪役に捕らえられている)
「みんな、大きな声で、○○マン(ヒーローの名前)を呼んで!! せえーのー『○○マン!!』、それじゃ聞こえない!!もう一度、せえーのー『○○マン!!!!』」
        →→→(主題歌~○○マン、登場/ポーズ)

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   ◇     ◇     ◇
 
 さて、『ゴレンジャー』に始まる、いわゆる“戦隊モノ”と呼ばれるショーには、役者の人数の都合上、二役をこなすための「2回お着替え」があります。
 ★段取り表で云うと、
1.ヒーローA・B登場。悪人a・b・c・d・eと戦う~ 悪人c、あっという間にやられ、消える
2.ヒーローC登場~ 実は悪人cが二役。悪人a・dと戦う~ 悪人d、あっという間にやられ、消える
3.ヒーローD登場~ 実は悪人dが二役。悪人b・eと戦う~ 悪人e、あっという間にやられ、消える
4.ヒーローE登場~ 実は悪人eが二役。悪人a・bと戦う~ 悪人a[ボス]・b[怪人]だけあって、メチャ強い!
5.5人ヒーロー(ABCDE)勢ぞろい!!~ 5人そろってキメのポーズ。
派手なアクションで、悪の軍団(たった2人)をギタンギタンにやっつける。
「覚えていろ!」と捨てゼリフを残し、悪の軍団、去っていく。

 毎度毎度の想いで話で恐縮ですが、私がイベントの仕事を始めた頃、もうすでに「ぬいぐるみヒーローショー」はありました。『仮面ライダーV3・ショー』です。この話、次回、やります。乞うご期待!
(2003.7.24)
=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===
 

■ヒーローショー(3)■

 「ぬいぐるみ人形劇」は、昔からありました。しかし、デパートの屋上で、販促イベントとして初めて行われたテレビ・ヒーローショーは、間違いなく『仮面ライダー・ショー』のはずです。
 

 私がイベントの仕事を始めた頃には、動員力の高い、デパートの子どもイベントとして、『仮面ライダー・ショー』はひっぱりだこでした。版元である東映は、20以上のぬいぐるみの班を作り、遊園地・デパート・住宅展示場・・・と、商圏がバッティングしない限り、場所を選ばず行っていました。

 前回書いたように、ぬいぐるみショーは1チーム役者7人、司会者1人、スタッフ1人の計9人で動いています。メンバーは固定ではなく、ジャズでいうならセッションバンドのようなもの。
 例えば「主役」を張るピアニストと、ちょっとクセのある「悪ボス役」ドラマー、の2人を中心に、あとのメンバーはあちこちから若手をかき集め、なんとかステージをこなします。GWや夏休みなどカキイレ時には、正規の「悪ボス役」ひとり、プラス6人のセッションメンバー、ということも多々あります。

 たまたま「主役」「悪ボス役」クラスが何人もいるチームに当ると、その日のお客さんは幸運の羽を手に入れたようなもの。役者はノリノリで、ハチャメチャに楽しく、くどいくらいにアクションと笑い満載のショーが見られます。

 司会者は、ビッグサイトで展示会のナレーターもこなす女性MC。
 でもこの人、子どもショーの「お姉さん」のやり過ぎで、ナレーターとしては、ちょっとスポンサー受けが悪い。ついつい、オーバーアクションになってしまうから。
 でも、子どものウケはバツグン!「イルカショーのお姉さん」のように、自由自在に子どものハートをあやつります。

 さて、残りのもう一人、「スタッフ」は何をするかというと、マネージャー兼、営業兼、運転手兼、音響のオペレータ兼、影ナレです。当時、音源はオープンリールのテープを使っていました。しかも同時に2本。ということは、2台のオープンデッキを一人で、操作しながら、ショーのBGMを、役者の動きに合せて、“ライブ”に組み立てていく訳です。

 それだけでも大変なのに、さらに彼は・・・、
 戦闘シーンにおける、ショッカーの「キィー!」から、仮面ライダーの「とりゃ!」、悪ボスの「グゴボボボー!」まで、ありとあらゆる擬声音、擬態音を口で作っていくのです。首からヒモで吊ったマイクを、ほとんど「かぶりつく」ようにして。そこだけ見てると、8本の手を縦横無人に使ってテレコを操作し、顔を真っ赤にして、口から墨を吐き続ける、ハチマキしたタコのようです。
 彼こそプロ中のプロだと、心底、私、これにはいつも感動していました。
(2003.7.31)
=== 「イベント雑記」という記事を、2003年から2005年にかけて書いていたメルマガに掲載していました。内容的に若干古さを感じる点はご容赦下さい。(掲載した日にちを文末に書きました)・・・こちらのブログに転記させていただきます。===